骨髄移植

完全無菌室へ移動した



夫は荷物の整理を看護師から命じられ大変そうだった。
しばらくして夫が無菌室へ来ると、『骨髄上がってきます、まもなく移植が始まります』予想以上の早さに少し焦った。

とにかく妹の無事が気になって仕方が無い

担当医とベテラン医師が骨髄液を手に持ちやって来た。

『妹は大丈夫ですか?』  
『まだぼんやりしていますが、もう病室に戻っています心配ないですよ』

説明の上手なベテラン医師がにこやかに話してくれた。

またしても涙が込み上げてしまった。

通常の倍近い量の骨髄が採れたと言うのだ。1リットル以上も?
採った量は780mlと予定していた量を少し上回るだけだという。同じ量でも、骨髄の濃度が2倍近いと言うのだ。移植にはさらにメリットが高いと言う。しかも、腰骨4箇所からではなく2箇所の穴だけで採ってくれたというのだ。医師も満足気だった。



今日の為に苦手なレバーを毎日食べたと言っていたのを思い出した。
泣けて泣けて仕方が無かった。


医師に泣きながらお礼を言い

妹に感謝を思いながら骨髄移植は始まった。

15分ごと血圧、脈、酸素濃度を測り、アレルギーが出ないか、拒絶反応で息苦しくならないか、じん麻疹は出ないか、しばらく医師が立会い見ていた。

ありがたいことに何も起こらず進んだ。
移植の速度を速め医師は無菌室を出て行った。

4時間で移植は終了。 予定より1時間も早かった。

妹から電話が入った。『ねーちゃん無事戻ったよ!』

お礼と骨髄の濃度の話をした『ねーちゃん それ高いよっ』
『・・・・・』


いつもの妹が戻っていた。


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